ジョーカー 崇高な死よりも冗談な生を
こんにちは。
この前、久々に映画を見ました。
「ジョーカー」。
去年公開された話題作ですね。
多くの批評家の意見を見て、私もずっと見たかったのですが機会を逃し続けていました。
アマプラレンタルで見ました!
まぁ、つらつらと感想を書いていこうと思います。
※以下ネタバレ含みます。
アーサー、本当に不幸な男ですね、、。
こんなにふりかかることある?ってくらい理不尽な不幸に巻き込まれまくります。
そして、運も悪いですね彼。
ピストル落としたり、変なサラリーマンに遭遇したり。
でもね、意外と周りにいるんだと思います、こういう方。
悪い人でもなんでもないのに、なんとなく人からあまり好かれず、
なかなかに運も悪い人。
私も周りにいたような気がします、学生時代。
なんだか、いつも何かを怖がっていて、でも世間に溶け込もうとしてなのか半笑い状態の表情をよく浮かべていたように思います。
私は同じクラスなどではありませんでしたので話したりはあまりしませんでしたが、、、。その子は今どうしているのでしょう。
脱線しちゃいました。
何も悪いことをしてないのに、疎ましがられ、負を背負う。
そんな人々にも夢や希望、愛があれば頑張ることができますね。
アーサーは、コメディアンとして大成する夢、母親への愛情、隣人シングルマザーへの恋心(?)で頑張って自己を保ちながら生きていたように思います。
神経が昂ると笑ってしまう、という持病を抱えつつ、彼は健気に生きていました。
そんな彼の中に潜む危険分子として、日記に書かれていた
「この人生以上に硬貨(高価)な死を望む」という言葉があります。
一体どういう意味でしょう。
ジョーカー(冗談屋)としての片りんの「硬貨」、「高価」という文字遊びの中に
生きていることより死の方が価値があるという思考が見えるように思います。
これがのちに、アーサーが殺戮を繰り替えすダークへと染まる考え方の元なのかもしれませんね。
なんとか健気に生きてきたアーサーも、会社クビ(会社の仲間や仕事との絆が切れる)から狂い始めました。
セクハラサラリーマンたちを衝動で殺し、一気にその狂気は加速します。
人間のタガが、一度衝動で壊れると怖いですね。
でも思うんですけれど、誰もが何かを我慢して生きているのではないでしょうか。
無意識化ではあったとしても、この世界の常識やルールに皆全て納得して生きているのでしょうか。
でも、そのルールを破ると豚箱行きです。
誰が決めたのか知りませんが、世界はそのようなルールである程度の民間統制は取れてきました。
まっとうに生きること、それは我慢比べに似ていると感じました。
順応力の高い人はそこまで苦労しなさそうですが・・・。
信じていた母親の過去からの妄想と同時に垣間見える成功者の姿、自分は結局何者であるのかという葛藤、自身の妄想で出来た愛も現実では露と消え、もう何も残らない・・・。
ついにジョーカー(冗談屋)誕生です。
どんな悪事も冗談として済ましてしまう質の悪すぎる極悪人。
(余談ですが、TWからのメッセージが書かれた母親の写真がありましたね、、、。TWも悪いやつすぎます)
しかし、前述したとおり、彼を一概に悪人とするのはこの映画の本意ではなさそうですね。
誰もが抱えた我慢と衝動を爆発させた男。そう、誰にでもジョーカーになる可能性はあるということ。
最後のシーンでも周りのピエロにあんなに崇められて、、、。
衝動を実現させた男はあの手の輩から見たらヒーローと同等なのでしょう。
そうそう、トーマスをジョーカー自身が殺さなかったのは意外でした。
しかし、きっとこれもジョーカーのせいになるのでしょう。
誰かひとりをいけにえに、周りがその影に隠れて悪事を働く。そのような人間の浅ましさと狡さの犠牲にもなったんですね、ジョーカーは。
しかしブルースがあのあとバットマンになるのはこの映画最大のエモポイントではないでしょうか!
私はバットマン原作を見ていませんが、一度視聴したくなりました。
まとめます。
ジョーカーは結局、衝動を爆発させ狂ったことにより
崇高な死よりも冗談で生きることを選んだのではないでしょうか。
その生きた先に何が待ち受けているかは置いておいて、これが彼の本性、生の表れであると。
世間のルールを破り、破壊を繰り返すその姿は、
ある者には恐ろしい犯罪者、
ある者には日ごろのうっ憤を代わりに晴らしてくれる存在、
またある者には近い未来の自身の姿、、、。
そのように映りそうです。
この映画が危険視され、アメリカでは公開するか議論されたという話も聞きますが、その理由がよくわかります。
人間は信じていたものが切れた時、本来の生に走ることがある・・。
それは必ずしも安全であるとはいえない・・・。
ジョーカーはどこにでも潜んでいます。
みなさんは、どう生きますか?
こんなことを問いかけている映画だったように、私は感じました。
※私はこの映画を見たからと言って犯罪を犯す気はありませんよーーー!!!皆さまも人に迷惑をかけることはせずに生きていきましょうね!大丈夫かと思いますが、念のため。